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企業並びに企業人の森・里山保全は、持続可能な社会づくり・持続可能な企業活動の推進における重要な戦略の一つです。
20世紀中頃まで、日本にはたくさんの手入れされた森・里山がありました。
人々は里で食糧を生産し、エネルギーや用材を確保しながら暮らしの中で森をまもっていたからです。
ところが、石炭や石油などの化石エネルギーの出現によって、人々は先を争うように経済的豊かさを追いかけ、森・里山が社会から遠く離れた存在になってしまいました。
人々はかつての森・里山に守られた暮らしを忘れてしまったのです。
しかしながら、豊かだと思っていた社会に歪みが生じ、エネルギーの枯渇、生物多様性の減少、地球温暖化など、生命や社会を脅かす様々な問題に直面しなければならなくなっているのです。
本来、森・里山は、生物多様性の場であり、食糧生産の場、エネルギー確保の場、用材の確保の場、保健休養の場、水資源確保の場、教育の場・・・など様々な機能を保有しています。また、昨今では二酸化炭素吸収源、新エネルギー確保の場として、世界情勢対応政策さらには産業界など、様々な方面で森・里山の価値に大きな注目をよせはじめています。
私たちは今、森・里山をまもり、再生し、その機能を回復させていくことが、21世紀の持続可能な社会システムを構築するための重要なファクターの一つであると考えています。
そして、それを実現していくためには、市民やNPOと企業、行政がパートナーシップを形成しながら共通の目標に向かって取り組んでいくことが大切なのです。
その中でも、とりわけ企業や企業人の関わり・協力、自主的取り組みが経済的かつ人的エネルギーとして、さらにはあらたな産業構築という視点からも、とても大きな意味、役割を担っていると考えます。
今や、企業にとっての森・里山保全は、社会貢献という域を脱し、持続可能な社会の構築、持続可能な企業活動に大きく関与する重要なテーマになってきているのです。
そこで、今回企業の経営者、社会貢献ご担当者、環境対策ご担当者まで幅広い方々を対象に「森・里山保全における企業の役割―森林環境コミュニケーションづくりに向けて」と題しセミナーを開催いたします。
当セミナーは、企業と企業人にスポットをあて、
1.企業と企業人の森・里山保全との関わり、目的、その意味を考え、
2.森・里山保全に取り組む為のコミュニケーションのあり方、その重要性について共通の認識を持ち、
3.さらには実際に取り組むための方法を探る。
ということを狙いとしております。
つきましては、業務ご多忙のところ誠に恐縮ですが、本セミナーの主旨をご理解いただき、ご参加いただきますようご案内申しあげます。
平成14年3月
全国森林組合連合会
里山から考える21世紀実行委員会
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