間伐

協同組合東京の木で家を造る会の活動
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3.50年先を見据えながら

インタビュー中に、稲木さんはメモ用紙に絵を描き始めた。それは、日本の蓄財状況ならぬ、畜材状況を表すグラフであった。戦後の拡大造林と、その後の輸入材の輸入過多により、現在の日本の森林は過剰な在庫を抱えている状況である。伐採されるべき森林が放置されている。それ自体は悪いことではない。だが、そのために新たな植林が遅れているのも事実。

檜原村地域交流センター外観、ガラス張り内部。大型建築でも木造で十分な強度を得ることができる。

「現在、木がものすごく豊富な時期になっている。これを全部使ってあわてて植林しても、成材になるのは50年以上先。その間に、木材が不足する時期が来るんです。現在蓄積された木はそのときに備えて取っておかなくてはならないんです。いま、余っているからといって安売りすることは自殺行為なんです。東京には、だいたい3万haの森林があって、ピーク時には5万m3の丸太を出していたんです。その5万m3の丸太を回していこう。そのためには、3万haでなくても、足りるんですね。だから、必要な分を残して、後は自然林に戻そうということを考えている。毎年5万m3の丸太をどうやって消費者に買ってもらうか? その図式を描けて初めて、この材料をいくらでかってもらわないと、ダメなんです、ということを訴えていける。この柱を4000円で買えば、山はそうなっていくということを約束するんです。お客さんは意識の高い方々ですから、そういうお約束をしないと納得してくれない。その代わり、われわれも、その約束を果たしていく義務が生じてくる。」(稲木)。

「東京は、森林面積が小さいくせに、金銭的に余裕のあるお客さんが多い。ずるい、という非難も浴びている。でも、東京で林業を再生していくことが、日本全体の林業再生につながっていく、そういう思いで続けているんですよ」(稲木)。


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