間伐

第2回 間伐材は魔法の木質資源 3/3 

3.その他の間伐材利用製品

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飛騨フォレストの健康ひのき畳。

間伐材を利用した製品は、他にも枚挙に尽きないほどたくさんある。特にヒノキの間伐材に関しては、ヒノキの持つ天然の抗菌作用や鎮静作用などを利用した製品が数多く見受けられる。その中でも注目したいのが、飛騨フォレストが作っている健康ひのき畳である。現在、多くの畳はポリエチレンフォームや、木質ボードの上にい草を乗せただけのいわば化学畳になってしまっている。きちんとわらを使っている場合はさらにやっかいだ。ダニやカビを発生させないために多くの薬品を使っている可能性があるのだ。かつて、日本の家屋の機密性は非常に低く、風通しもよかったため、わらに何の加工もしないでもダニやカビの発生を抑えることができたが、現在のような機密性の高い日本の住宅では昔ながらの畳はダニ、カビの温床になってしまうからだ。

飛騨フォレストの健康ヒノキ畳は、畳のボディの部分にヒノキ間伐材をチップ化したものを使っている。ヒノキがもっている天然の抗菌性能のおかげでダニやカビの発生が抑えられ、しかもわら畳の倍以上の水分調整機能がある。つまり、湿度が高いときには、畳が余分な水分を吸収し、乾燥しているときには水分を部屋に返してくれる。もちろん、断熱性能も耐久性も高い。

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株式会社コシヤマが施工した東雲中学校の木製サッシュ。
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千代田区では、東京都で生産される間伐材を道路のフェンスに試験的に利用している。このフェンスの評判がよくて、耐久性などが実証されれば、多くのフェンスが間伐材で作られることも考えられる。東京都千代田区千鳥ヶ淵公園にて。

最後に、これは提案だが、集成材を圧縮することにより密度の高い木を作ることができると書いたが、これを木製のサッシュに使えないだろうか? 日本では窓枠はアルミサッシュが使われるのが常識になっているが、これは世界では非常識なのだ。日本ではアルミサッシュのシェアが89%といわれているが、アメリカでは41%、イギリスで18%、ドイツで15%、北欧三国に至ってはアルミ製と樹脂製をあわせても5%となっている。アルミでなくて、何を使っているのか? 木である。北欧三国では木のサッシュが95%となっている。その他の国でも、イギリスで75%、ドイツ、アメリカも40%前後が木で占められている。欧米ではサッシュ=アルミではないのだ。ご存じの通り、1tのアルミを作るためには15000万KWの電力を消費する。まさにアルミは電気の缶詰なのだ。さらに、多量のボーキーサイトを使用し、アルミを取った後はゴミとして捨てられる。無駄の多い金属なのだ。これを国産材で代用させられないか? 欧米では、マツ、ヒバなどの材が用いられており、国産材で木製サッシュを作っている秋田のコシヤマでも青森ヒバの積層材を使ってサッシュを作っている。変形の多いスギやヒノキは、こうした場面にはそのままでは使えないが、集成材を圧縮すれば使えるのではないか?

アルミは熱伝導率が異様に高く、本来窓枠にはまったく向いていない。さらに、木のサッシュは、結露も少なく、見た目にも心和ませてくれるなどいいことずくめだ。木の窓枠というと、昔の日本家屋で梅雨時になると窓が開かない、冬はすきま風というイメージがあって、アルミサッシュが一世を風靡することになったのだが、集成材を圧縮して耐水性を持たせれば、そんなこともなくなるはず。

いずれにせよ、集成材や圧縮材の応用範囲は無限に広がっている。木と他の材料の選択のチャンスがあったら、木の方を選ぶ。消費者のそんな心がけ次第で、日本の森林を蘇らせることもできるのである。


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