間伐

現場レポート 間伐材利用を促進するために
 台形集成材で実績を残す津山国産材加工協同組合
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1.台形集成材のトップランナー

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津山国産材加工協同組合参事三木敬臣さん。

岡山県岡山市から北に約40km、津山という城下町がある。間伐材を利用した台形集成材の加工、販売で日本ばかりでなくアジア諸国からの注目を集める津山国産材加工協同組合の本拠地である。

津山国産材加工協同組合(以下、津山国産材と略)の設立は昭和60年(1985年)、津山市、鏡野町、加茂、上斎原村、奥津町、富村の各森林組合をはじめ、岡山県森林組合連合会、関連の木材加工会社株式会社ケンモリの8組合員によって構成されている。操業を開始したのは昭和63年(1988年)のこと。以来、順調に業績を伸ばし、2000年度の実績では3億6000万円の売り上げを記録している。現在、年間約6000m3の原木を買い上げて、約2400m3のブロック材などの製品を販売している。

「津山国産材の特徴はなんといっても台形集成材を作っているところでしょうね。原木を台形に加工してから接合することで、原木の利用率を高めることができる。さらに、原木を65cm程度に玉切りしてから加工するので、曲がりのある木でも無駄なく使うことができる。さらに、木裏と木表を交互に接合することで、木の変形を最小限に抑えることができるんです」(津山国産材加工協同組合参事三木敬臣)。

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敷地内に所狭しと並べられている自然乾燥中の木材。 津山国産材に送り込まれてきた原木。多少の曲がりのある木でも、十分に活用することができる。

通常の木材の利用法は、丸い木から四角く切り取るのに対し、台形集成材では丸い木を六角形に利用する。廃棄する部分が少なくなるのは、いうまでもない。これまでの利用法では約50%が廃棄されるのに対し、台形集成材では廃棄される部分は20%に留まるという。

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木に囲まれて学べる小学生がうらやましくなる。津山国産材の台形集成材で作られた岡山県建部町竹枝小学校の校舎。

ヒノキの割合の多いこの地域では昭和60年頃にはまだ小径木といえども、さほどの値崩れは起こっていなかった。だが、曲がりのある木に関しては、チップ化されるほかなく、市場で買いたたかれることが多かったという。その曲がりのある木を有効活用することを目的として津山国産材はスタートしたのである。


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