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森林活用セミナー開催情報や森林の活用事例などをお伝えします。
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『第3回森林活用セミナ-レポート vol.3』 |
2003/3/17 |
テーマ2「森林環境教育をすすめることの意義と実践」 |
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本テーマでは、広がりはじめた森林環境教育の解説と森林・木材を活用することの意味をわかりやすく伝えるプログラムや、間伐素材で結ぶ学校・森・企業の連携プログラムの事例紹介を通じて、森林環境教育という新分野への参画が呼びかけられました。解説および報告のポイントを紹介いたします。
○解説 水野一男氏(木文化研究所代表・環境プロデューサー)
森林には、循環を形成する一つの世界があります。植物と動物がからみ、それぞれのところで、固有の生態系をなしながらそれを可能にしています。人はそこに関わりを持ち、様々な恵みを得て、文化を産み出してきました。しかし、昨今では自然とのバランスを崩し、結果として森林を荒廃させるなど、日常生活から生じる環境問題は抜き差しならないところとなってきました。このような事態に至って、私たちは今こそ、森林の本来の役割が発揮されるべく生活スタイルの見直しをしなければならない時を迎えています。人が引き起こす全ての環境問題は森林に内包され、逆に環境に負荷をかけない工夫は、森林と人との間で積み上げられてきたことを理解しなくてはなりません。ここで提案する環境教育のプログラムは、森林にある数々の叡智にふれ、人の暮らしを見直すことに始まり、社会の有り様を考え、森林を育む気持ちを持つことで環境問題の解決へ向けて行動できる人を育てることを目標としています。
○報告「木材普及活動と木材の応援団をつくること」 林 和男氏(愛媛大学農学部教授)
木材利用における地産地消(地域生産地域消費)の意味は、運搬に要するエネルギーが少なくて済むこと、山が健全であるかのチェックができることのほか、文化・歴史の継続性、地域経済へ好影響などがあります。現在の統計によりますと、この先、住宅着工数の増加は見込めそうもありませんので、他に木材を使用する方法を考えていく必要があります。そのための木材普及の応援団をつくることが重要であると考えられます。私は、大学演習林において小屋作りの実践を行うことを通して応援団作りをしています。実践してみて感じたことは、人を育てるのは容易なことではありませんが、人を育てなければ何も進まないということであります。
○報告「間伐素材が結ぶ学校・森林・企業の連携プログラム」 関 邦春氏(ジェイファンネット代表取締役)
環境問題に対する一般企業の取り組みについて課題となっているのは、安易な分野のみに限られ、集合的・多角的な取り組みが行われていないように思われます。また、具体的なテーマが見い出せないという点もあります。さらには、環境問題に取り組む企業が見えない、循環型社会の形成が不完全であるなどの点があります。地域社会の課題としましては、子供を中心とした社会が形成されていないということ、また、ふれあいやコミュニケーションが出来ていないという問題があります。このため神奈川県横浜市において、小学校を中心として地域企業の参加を呼びかけ、企業に対しては資金の提供とともに間伐・環境に対する啓発活動をお願いし、森林組合に間伐体験の協力をお願いしてきました。 |
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