間伐

第2回 間伐材は魔法の木質資源 1/3 

1.間伐材の加工

日本のスギやヒノキなどの人工林では、木をまっすぐに育てるために1haあたりに3000本前後という、非常に多くの苗を植えている。このためスギならば10年ほどで、ヒノキならば20年ほどで除伐を行い、以後数年おきに間伐を行っていき、最終的に残った500本〜1500本ほどが主伐材となる。本数にばらつきがあるのは、産地によって例えばヒノキならば300年ものを産出する場合は最終的に500本ほどになるが、100年ものならば1500本が主伐されるということになる。間伐材にしても、直径が10cmに満たないような小さな木や除伐材は現在ではほとんど価値のないものだが、10cm以上のものなら集成材などに利用され、20cm以上であればりっぱに成木として扱うことができる。間伐によって生じた原木でも30cm以上のものもあるのだ。

この特集で間伐材といっているのは、主に10cm程度から20cm程度の小径木といわれる間伐材である。

かつては、除伐されたものでも、炭や薪になったり、小径木は養殖筏に使われたり、建築現場の足場に使われたものである。伝統的な林業が行われていた一部の地域では、こうした間伐材は山の持ち主から管理を任された森林労働者達が自由に処分する、といったシステムがあったそうだ。つまりは、給与以外の臨時収入として森林労働者に与えられるのである。

だが、現在ではこうした小径木は市場に運んでも1m3あたり2000円〜7000円という安価でしか取引きされない。山に生えている状態の立木の価格ではない、人手をかけて切り倒し、玉切りし、市場に運んでこの価格である。間伐をしても、赤字になる。これが現在日本の人工林で間伐が行われなくなっている理由のひとつ。

現在、この間伐材の利用方法の切り札のひとつとして最も注目を集め、さらに各地で実績をあげているのが集成材である。

 一般の集成材の製造工程
図一般の集成材の製造工程

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