間伐材を自社製品などに「つかう」
- 木材を材料に使う製品について、原材料として間伐材を使うことで、SDGsに貢献することができます。
- 間伐材を原材料にした商品であることを間伐材マークを取得し、添付することで訴求できます。
- 間伐材の原料利用は、ESG(環境・社会・ガバナンス)対応にもつながります(サステナビリティ・テーマ投資型)
国土緑化推進機構 「森林×企業 SDGsハンドブック」より引用
間伐材マークを取得するメリット
- SDGsなど、持続的な社会づくりの意識が高まるなか、脱プラスチックなどの取り組みを推進する企業や個人に対し、間伐材をつかった商品であることを、しっかりと訴求できます。
- ロゴマークの活用により、商品を採用する事業者だけではなく、それを利用する消費者にまで、間伐材利用を訴求できるものです。
間伐材マーク取得企業様インタビュー
株式会社セブン&アイ・ホールディングス様(K1405310)
間伐材マークを通して資源循環と森林循環の大切さを伝えたい
~セブン&アイ・ホールディングス様へ間伐材マークのご利用者インタビュー~全国森林組合連合会間伐材マーク事務局
取材日:2022年6月10日(金)
取材日:2022年6月10日(金)
2022年6月10日(金)に間伐材マークを取得しているセブン&アイ・ホールディングスのセブンプレミアム開発戦略部荻原様、サステナビリティ推進部尾崎様、小野様、伊藤様より、間伐材マークの取得経緯や間伐材利用の背景についてお話を伺った。
―間伐材マークを取得した経緯について教えて下さい。
2013年に初めて、セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」の飲料容器に国産材を30%以上使用しているカートカン(紙製飲料容器)※1を採用しました。以前より私たちセブン&アイグループとセブン‐イレブン記念財団は「セブンの森」プロジェクト※2に取組んでいます。「セブンの森」では弊社の所有の森という形ではなく、森林所有者と協定を結び、森林整備費による支援やグループ社員によるボランティア活動を行ってきました。また「セブンの森」で間伐した一部国産木材をグループ内の店舗資材や商品に活用することを促進してきました。2014年の新商品開発に合わせて、地球環境の保全に貢献する企業PRも目的に、自社で間伐材マークを取得しました。小売業では初めての取得と聞いています。
―間伐材の利用の現在の状況などについて教えて下さい。
環境配慮型のPB商品第2弾として2014年から、春雨スープシリーズと飲むヨーグルトシリーズの計8商品で間伐材を使用した包材で販売しています。写真(左): 「セブンプレミアム スイーツ仕立ての のむヨーグルト」
写真(右):「セブンプレミアム 春雨スープ(ワンタン、かきたま、坦々麺味)」
写真(右):「セブンプレミアム 春雨スープ(ワンタン、かきたま、坦々麺味)」
写真:商品に印刷されている間伐材マーク
そのほか、商品以外でも、リサイクルボックスやレジ横の募金箱、一部店内に設置されているイートインテーブルには、「セブンの森」の間伐材を使用しています。また、「セブンカフェ」のホットカップは間伐材を使用した紙容器を使用しており、外側スリーブ部には間伐材マークが入っています。
写真(上):イートインテーブル、募金箱
写真(下):ホットカップのスリーブ部分に印刷されている間伐材マーク
―間伐材(国産)利用をどのようにとらえていますか?
―SDGsの捉え方や認証マークに対する考え方などについて教えて下さい。
グループ内でも環境やSDGsに対する意識は非常に高まっています。弊社では環境宣言「GREEN CHALLENGE2050」※3にて次の4つのテーマを掲げています。①CO₂排出量削減、②プラスチック対策、③食品ロス・食品リサイクル対策、④持続可能な調達の4つです。国内の8,821店舗(2022年2月末)にてCO₂削減に向けた太陽光発電の実施や、ペットボトルはこれまでに約4億本相当の回収等、様々な取組を実施してきました。今回の間伐材マークなどの認証マークの導入は、環境に配慮した容器包装の取組の一つであると同時に、「セブンの森」プロジェクトで森を育てるというのは1つ目のテーマであるCO₂排出量削減にも関連する取り組みです。―間伐材マークに、どのようなことを期待していますか。
認証マークは、たくさん存在していますが、間伐材マークは見た目も分かりやすいと思います。徐々に間伐材の知名度は上がってきてはいますが、まだまだ周知不足により、消費者の認知が低いのが現状です。消費者の中には、「木は伐ってはいけない」と考えている人が多く、「間伐をすることが良いことである」という情報をもっと伝えていく必要があると感じています。間伐材を活用する目的やその背景も合わせて、更に間伐材マークを普及していただきたいですし、我々も普及させたいと考えています。社会全体の環境に対する関心が高まっている中で、木材の国内循環は今後重要なテーマになってくるかと思います。社会の関心が高く受け入れやすい状況になっている今だからこそ、間伐材マークを通して、木は植えるだけではなく伐って使っていくという循環が大事だということを企業や消費者に伝えていきたいと思います。※1 カートカン
凸版印刷株式会社の透明バリアフィルム「GL BARRIER」を使用し、常温流通でも長期保存可能な紙製飲料容器。間伐材を含む国産材を30%以上使用しており、間伐で発生した木材を用紙に有効活用している。
※2 セブンの森プロジェクト
森林所有者と協定を結び「セブンの森」として森林整備活動を展開。2022年2月末日現在、全国28箇所(うち11箇所終了)で面積1,768.4haで実施してきた。地域住民、NPO、グループ社員からボランティアを募って、植樹だけでなく下刈りや間伐までの保育活動に取組んでいる。
https://www.7midori.org/katsudo/sizen/711forest/
※3 GREEN CHALLENGE2050
豊かな地球環境を未来の世代に繋いでいくため、セブン&アイグループが2019年5月に策定した環境宣言。
https://www.7andi.com/sustainability/g_challenge/about/#theme