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全森連からのお知らせ

年頭ご挨拶

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 皆様におかれましては、常日頃から、森林組合活動へご支援、ご協力いただき厚く御礼申し上げます。
 昨年は、東日本大震災、福島第一原子力発電所事故の発生、更に、平成に入り最悪となった台風災害など、我が国の存亡にかかわる事態に見舞われた一年でありました。
 被災地域の系統組織も人的、物的両面から甚大な被害を受けましたが、困難な状況下で協同の力を発揮し、再建に向けた取り組みが進められています。
 また、全国の系統を挙げた復旧、復興活動が行われたのに加え、多くの方々から多大なご支援を賜りました。改めまして、関係各位のご支援、ご尽力に御礼申し上げます。
 しかしながら、福島県内においては原発事故の影響が未だ続いており、今なお多くの組合員が避難生活を余儀なくされています。また、事業再開の目途が立たず休業を強いられている組合もあり、本会といたしましても、放射能汚染問題への対応も含め、東北地方を中心とした被災地の一日も早い復旧、復興を実現するため、引き続き全力を傾注して参る所存であります。
 さて、我が国の経済情勢は、震災と原発事故の影響に加え、ギリシャに端を発した欧州債務危機が世界経済を揺るがし、歴史的円高局面を迎えるなど、輸出産業を中心に厳しい状況が続いています。
 森林・林業の動向を見ますと、昨年成立した改正森林法が本年四月に施行され、森林・林業再生プランの推進に向け、森林経営計画の作成を含む新しい森林計画制度への転換が図られます。
 また、すでに動き始めている公共建築物木材利用促進法に加え、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法についても本年七月に施行され、再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートすることになっており、エネルギー源としての木材の重要性が増すことが期待されます。
 こうした状況の中、森林組合系統においては、『国産材の利用拡大と森林・林業再生運動』を昨年四月から開始したところであり、今こそ、森林・林業の真の担い手として、運動方針に掲げた提案型集約化施業の推進や、低コスト林業の確立、国産材の安定供給体制の強化に取り組み、公共建築や木質バイオマス等の新たな需要に対応していくことが求められています。
 また、本年は、国連が定めた国際協同組合年でもあり、森林組合綱領の精神に則り、健全な森林環境と良質の木材を国民へ提供し、百六十万組合員並びに山村地域社会の発展に貢献するため、協同組合運動の実践に取り組んで参ります。
 皆様方におかれましては、従来以上のご支援とご協力を賜りますようお願いし、年頭の御挨拶とさせていただきます。


全国森林組合連合会
代表理事会長 林 正博