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特集:緑の雇用事業2

「緑の雇用事業」で採用された新規就業者達は、どんな状況で作業をしているのだろうか?
美山村森林組合と高野町森林組合の作業現場を訪ねてみた。


美山村森林組合
美山村森林組合では、緑の雇用事業で5名を採用した。そのうちの中西昇さんと玉置稔彦さんが地拵え作業で汗を流す現場を訪れた。
「ここで山仕事を続けて行くために、早く自立できるようになってほしい」と語るのは班長として指導に当たる古瀬章さん。彼も村のグリーンキーパー制度(※)を活用して、3年前に妻子を伴いこの村に来たIターン組だ。「正直6ヶ月の雇用期間では短い」と指摘するのは美山村森林組合参事の下西千秋さん。その一方で村に新しい風が吹いて地域が明るくなると喜ぶ。
緑の雇用事業で採用した多くが雇用の継続を望む中、同組合では事業量の状況を見ながらグリーンキーパー制度の活用も検討していくという。


美山村森林組合:古瀬さん 班長の古瀬章さん
村のグリーンキーパー制度を利用し、宮崎県から家族とともに移住をした古瀬さん。時折笑いが混じるインタビューの中、「(作業班の人達へ)常に自分の後ろに5人控えがいると思ってハングリー精神を持って仕事をするように言っています」という言葉が最も印象に残った。
美山村森林組合:玉置さん 玉置稔彦さん
県内の那賀郡出身の玉置さんは、子供の頃に美山村に住んでいたことがあり、一昨年から美山村に戻ったそう。この仕事はハローワークで紹介されたとのこと。インタビュー後に写真を撮らせてもらったところ、笑顔で応えてくれた。
美山村森林組合:急斜面 壁のように急な斜面でも、あっという間におりてくることができる。(現場は登りよりも降りるほうが数段恐ろしい。)さすが。
美山村森林組合:中西さん 中西昇さん
以前は京都で大工をされていたという中西さん。「もともと林業に興味があり、山が好きなので今の環境が気に入っています。」週末は山菜採りや温泉巡りを楽しんでいるそう。健康的な生活のおかげか、「怪我してもすぐ治るんだよ」とのこと。
美山村森林組合:下西さん 同組合参事の下西さん。
「Iターンの人達は、自然のリズムで生活できることに満足している人が多いですね。彼らが増えたことで村にも活気が出てきました」



高野町森林組合
次に訪れた高野町森林組合は、大阪から通勤可能という立地条件にある。地元出身の上岡武志さんは現場作業スタッフを一手に仕切る同組合職員だ。以前は大阪で小学校の教員をしていたUターンである。そんな彼に話を聞くと開口一番「本当に良いスタッフに恵まれた」と語る。
緑の雇用事業で同組合が採用したのは9名。事業が始まった5月後半から誰一人欠勤者がいないという。中には毎朝5時半に家を出て通う人もいる。仕事に対する姿勢も皆熱心だ。そんな彼らのほとんどがここに残ることを希望している。「彼らの多くが極力継続できるよう、さまざまな事業の活用を考えたい」と言う上岡さん。その頑張りに期待したい。

高野町森林組合:作業スタッフ
上岡をはじめ現場のスタッフが勢揃い。皆が身に付けているプロテクトウェア(オレンジ色のヘルメットやブルーのパンツ)は、『格好から入ってもいいんじゃない?』という上岡さんの意見が反映された安全でかつデザインの良いもの。ウェアにこだわることは、安全に対する意識を高めることになるきっかけにもなったそうだ。
高野町森林組合:古道整備
緑の雇用事業の一つ「古道周辺森林環境整備事業」を活用して、整備された遊歩道。気持ちよく散策できるのも彼らのお陰。
高野町森林組合:上岡さん
上岡武志さん
H9年3月まで大阪で小学校の教師だった上岡さん。その頃から教育に間伐材を使用するなど、視点はすでに林業や環境教育に向けられていた。現在、現場の仕事以外にも高野町森林組合のホームページを自ら制作・公開中。インターネットを利用した不在村森林所有者対策や木材販売など構想は尽きないとか。また、林業ボランティア「杣人倶楽部」の事務局を担当するなどパワフルに活動されている。
制作(社)全国林業改良普及協会
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