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vol.6 2002.09.01 発行
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  森林を所有する、育てる、活用する
  市民と企業と林業者のネットワーク

  Dare Mori Network mail magazine vol.6 2002.09.01
  森林は誰のもの?メールマガジン

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暑さはしばらく続きそうですが、皆さんお元気ですか?
森林は誰のもの?メールマガジンvol.6をお届けします!


:::◆◇ menu
・新企画『森林は誰のもの?用語辞典』
・森林組合のここが知りたい <3.森林組合の仕事・その2>
・コラム『森林の"今"』-連載最終回-


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:::◆◇新企画『森は誰のもの?得する用語辞典』

 今回から新コーナー『森は誰のもの?得する用語辞典』を始めました!
森林・環境に関する用語を、森は誰のもの?ならではの着眼点で選びだし、
その意味をご紹介します。普段なんとなく聞いたことはあるけれど、
実は意味がよくわからない、という森林・環境に関する用語は、是非この
コーナーを利用して解決しましょう!皆さんからのご質問はメールで受け
付けていますので気軽に送って下さいね。

知りたい森林・環境用語ファイル1
■不在村森林所有者【ふざいそんしんりんしょゆうしゃ】
 所有している森林のある土地・地域に住んでいない個人、またはその土地・
地域に所在していない企業などをさします。例えば、個人の場合では、地方に
森林を持っているが自分は都市に住んでいる、また、企業の場合は、都市部の
企業が投資目的で森林を購入したという例があげられます。
 1970年には全森林所有者の15%でしたが、2000年には25%にも増えていま
す。不在村所有者の約半数は、自分の森林がどこにあるのかわからないという
状況になっており、また、木材価格の下落による林業採算性の悪化などの
理由で、所有者が所有する森林の伐採跡地へ植林をしない、間伐をしないと
いった、森林管理の水準の低下が問題になっています。

:::森林・環境に関する皆さんの知りたい用語をメールでお寄せ下さい
 web2@daremori.net



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:::◆◇ 森林組合のここが知りたい <3.森林組合の仕事・その2>

前回に引き続き、森林組合の具体的な仕事内容についてご紹介します。

仕事その3:【森林づくりに必要な林道や作業道を整備しています】
 適切な森林の整備と木材生産の低コスト化を図るために、計画的・
 効率的な路網整備を進めています。また、機械の協同利用による
 効率的な作業も実施しています。
 
 また、これまで長年かけて育ててきた森林が、台風や火事などの
 災害によって、大きな被害を受けたときのために、森林国営保険
 などの取り扱いも森林組合で行っています。他にも、さまざまな
 資金の貸し付けなども行っています。 

仕事その4:【情報の提供や森林管理の相談に応じています】 
 森林所有者の林業経営について、情報の提供や長年のノウハウを
 活かして相談に応じています。さらに行政の補助事業や融資などに
 ついての窓口にもなっています。

 また、年々増加傾向にある不在村森林所有者の森林管理を支援する
 ために、依頼に応じて森林の管理や長期間の施業を引き受けています。
 他にも、都市の不在村森林所有者のために、説明会(ふるさと森林会議)
 を開催しています。
 
 
 森林組合について、3回にわたってご紹介してきました。
 サイトでも、こちらの内容を現場の作業風景写真を交えてご紹介する
 コンテンツを準備中です。次号で御紹介します。



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:::◆◇ コラム『森林の"今"』 -連載最終回-
    大成 浩市

【新しい人と森林の歴史をつくる】

 今年の夏ももう終わりを迎えますが、皆さんお盆休みなどはいかが
過ごされたでしょうか。私は、このメルマガの最初に紹介した利賀村の
Kさん宅で過ごす予定だったのですが、時間がとれず灼熱の京都で
過ごしました。村の寝苦しくない夜をうらやみながら、Kさん一家に
お詫びの電話を入れました。

 以前、私がその村の森林組合職員として働いていたときから、Kさんは
現場班の班長で、私は林業の多くを彼に教えてもらいました。もっとも、
彼は班の中でも最年少クラスの40代でしたので、作業班の中には
経験年数が彼の倍ほどある人もゴロゴロいました。ただ、歳が相対的には
近かったことと、彼の気さくな性格のおかげで、今でもお付き合いする
仲が続いているのでしょう。

 私が村を離れてもう9年が経過しますが、その間も年に数回は村を訪れて
きました。それは村の林業はもとより、過疎対策から村の文化に至るまで、
私の興味が尽きないからです。訪れる度にKさんの家を宿として泊まらせて
いただいているのですが、そこで交わされる彼の一家や彼を慕って
訪れる村の人や、Iターンで村に移り住んできた人たちとの会話も、村を知る
上での大きな材料となっています。その会話の中で、今一番関心が持たれて
いることは、村の合併ということです。なんでも周辺の何ヶ村と町がひとつ
になるという議論が進んでいるそうなのです。このような広域合併という
ことになれば、森林組合の事業のあり方も大きく変わることは自明です。

 私はその話を聞いたとき、少なからぬショックを受けました。故郷の
ようにしてきた村が無くなるのですから、些かの喪失感にとらわれたのです。
村に2年程しか居なかった私がこのように感じたのですから、村に暮らして
きた方々の心中はどのようなものなのでしょうか。

 前回のメルマガで、私は人と森林の関係で変わらないものがあるという
ことを書きました。しかし、時代は確かに大きく変わっています。読者の
皆さんも、ここ数年間に御自身の身の回りに起きた変化に驚かれているで
しょう。それと同じように森林と人との有り様も大きく変化しています。
変化は怖いものですが、悪いことばかりではありません。ただ、それを
見つめ、より良い方向に向けることが問われるのです。Kさんのような仕事
に関して言えば、仕事量が減るかもしれませんし増えるかもしれません。
さらに、これまで雇われの身であった彼が、自分で事業を経営する身に
なる可能性もあります。そのことが良い変化なのか悪い変化なのかは彼
自身が決めることです。

 このような変化は、ほとんど日本の全ての林業地で起こっています。
読者の皆さんの住む地でも、静かに人と森林の有り様は変わってきている
ことでしょう。その変化には困難が伴うかもしれませんが、より良い新しい
歴史をつくっていこうではありませんか。

 今回が私の担当の最後となります。
お付き合いくださり、ありがとうございました。
また、この後のメルマガもおたのしみに。

             Ψ Ψ Ψ


大成さん、ありがとうございました。現在の日本の森林や森林組合について、
御自身の体験談を交えて、とても興味深いお話を聞かせていただきました。

次回の連載は10/1から始まります。ツリークライミングジャパン代表の、
ジョン・ギャスライトさんにお話を伺います。お楽しみに!



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