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全森連のご案内

世界最大規模の組合員で構成する日本の森林組合 全国森林組合連合会は、その全国組織です。

ご挨拶

 
 平素は平素は当会の業務運営につきまして特段のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 
 さて、新型コロナウイルス感染症が昨年5類に移行し、社会経済活動が正常化する一方、長期化するロシアによるウクライナ侵攻や緊迫するイスラエル・パレスチナ情勢、急激な円安・物価高などの影響が懸念されております。
 また、地震や豪雨・台風等により全国各地で災害が頻発しており、被災された方々に衷心より御見舞い申し上げます。
 当会といたしましても、政府に所要の要請を行うとともに、早期復旧と「緑の国土強靭化」による防災・減災が進むよう取り組んで参ります。
 
 こうした中、森林整備を支える財源である森林環境税・森林環境譲与税につきましては、いよいよ4月から森林環境税の徴税が始まります。
 森林環境税に対する国民の皆様のご理解を得るためには、各都道府県・市町村に配分された森林環境譲与税を余すことなくしっかり活用して地域の森林整備等を進めることが何よりも大切です。
 全国の森林組合系統においても、引き続き各都道府県及び市町村と連携し、有効活用を進めてまいります。 
 
 また、政府におかれては花粉症に関する関係閣僚会議を設置して花粉症対策を強く打ち出し、令和5年度補正予算において所要の額が計上されているところです。
 この中には花粉発生源対策として、花粉の少ない森林への転換促進対策が盛り込まれており、森林組合系統にはその担い手として高い期待が寄せられております。
 森林組合系統運動「JForestビジョン2030」においても、循環型林業の確立を掲げ、系統全体で主伐再造林に取り組むこととしており、花粉発生源対策の取組と合わせて推進していく所存です。
 
 一方で、昨今の少子高齢化等の影響を受け、森林整備等を担う人材の確保が全国的な課題となっております。
 当会は、これまで林野庁補助事業「緑の雇用」事業の実施主体として、全国の森林組合をはじめとした林業経営体の人材確保・育成を支援して参りました。
 加えて、当会が事務局を務める一般社団法人林業技能向上センターでは、林業に関する技能検定制度の創設に向け、昨年は全国7か所で「技能評価試験」を実施いたしました。
 また、昨年から林業に関する技能検定制度を活用した外国人材の技能実習2号の追加に向けた取組も実施しているところです。
 
 昨年4月にエストニアで、開催された世界伐木チャンピオンシップ(WLC)では、初めて日本人選手が種目別でメダルを獲得したという嬉しいニュースがありました。
 今年も当会が中心となり、第5回日本伐木チャンピオンシップ(JLC)の開催を予定しており、多くの選手が切磋琢磨し、現場技能者の技術や地位の向上、安全対策の推進に資することを期待しております。
 
 SDGsの達成やカーボンニュートラル社会の実現に向けては、本会と農林中央金庫の共同で森林組合系統によるJ‐クレジット制度への取組をサポートするプラットフォーム(FCBASE)を昨年3月に立ち上げ、多くの森林組合及び森林組合連合会が登録し、取組を進めているところです。
 現在は、J‐クレジットの創出に向けた支援機能が中心となっていますが、本年よりクレジットの販売機能も実装し、森林由来のJ‐クレジットについてより多くの企業に興味・関心を持っていただけるよう取組を強化して参ります。
 
 今後も、当会は森林組合系統関係者及び関連団体とともに、人材の確保・育成、森林資源の循環利用、国産材利用促進等に向け、役職員一同精進する所存ですので、ご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 
     令和6(2024)年1月
                        全国森林組合連合会
                           代表理事会長 中崎 和久