すでに木材・木材製品の輸出に取り組んでいる方々は、どの国へ向けて、どのような商品を、どのように輸出しているのでしょうか。
これから木材の輸出に取り組みたい方の参考となる、実践事例をご紹介します。
林業経営体強化専門研修において、視察・取材を行った事例
研修 | 視察先等(所在地) | 施設名 | 組織名 | |
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第4回 | 岩手県 | 久慈市 | 久慈港 | 久慈地方森林組合 |
第5回 | 山形県 | 米沢市 | 本社・工場 | (株)ニューテックシンセイ |
第6回 | 愛媛県 | 西条市 | 東予インダストリアルパーク工場(新工場) | (株)サイプレス・スナダヤ |
第7回 | 熊本県 | 八代市 | 八代港 | (株)JFK |
第8回 | 群馬県 | 渋川市 | 渋川県産材センター (群馬県森連) |
小井土製材株式会社 |
以下取材(コロナ感染拡大により研修を中止し取材に切替え)
取材 | 視察先等(所在地) | 施設名 | 組織名 | |
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取材A (第9回) |
静岡県 | 静岡市 | 袖師木材センター | 鈴与株式会社 |
取材B (第10回) |
宮崎県 | 日向市 | 細島港 | 中国木材株式会社 日向工場 |
取材C (第12回) |
宮崎県 | 串間市 | 木材輸出戦略協議会 (南那珂森林組合) |
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鹿児島県 | 志布志市 | 志布志港 |
また、以下に掲載の事例は下記の事例集・報告書から抜粋したものです。
高耐久性木材を中国へ
越井木材工業(株)(大阪府)
越井木材工業(株)(大阪府)は、樹脂含浸積層材など、耐久性に優れた木製外装材を中国に輸出しています。
1990年代から中国市場に注目した同社では、人材育成に取り組み、2010年に上海事務所を開設。自社製品を設計事務所、デベロッパーへスペックインの活動を行い販売活動を行っています。
平成27年の実績は、高耐久性木製品約400m3(樹脂含浸積層板210m3、高温熱処理木材110m3、防火木材36m3、その他40m3)です。
薄い単板に特殊な樹脂を含浸し強固に積層したウッドデッキ材
高温水蒸気下で熱処理し高い耐久性、寸法安定性を付与した木材。主に外装材などの屋外用途
八溝材を使用した住宅を台湾へ
(株)棟匠(茨城県)
(株)棟匠は、茨城県内の八溝材を使用して、茨城県北部の宮の郷工業団地で住宅用部材としてプレカット加工した製品を2014年から台湾に輸出し、台湾の設計会社や美容関連企業等と2013年に設立した合併会社「ゴールデン・ヘルス・ハウス」が木造住宅を建築・販売しています。
また、現地では在来工法による木造住宅が少ないため、建築技術や必要な工具が不足していることなどから、部材の輸出だけでなく、現地での木造住宅建築に係る技術指導も行っています。
韓国にアンテナショップを開設
美作材輸出振興協議会(岡山県)
ヒノキ人気の高い韓国における情報収集と販路開拓を目的として、平成27年9月、津山圏域の木材産業関連事業者を構成員とする「美作材輸出振興協議会」が設立されました。付加価値が高いヒノキの製材品や家具・建具を輸出の対象品目としています。
平成28年1月から3月に、韓国ソウル市内のセレクトショップに試行的に仮設展示場を設けた後、平成28年8月、岡山県・津山市の支援を受け、ソウル市郊外の城南市に常設のアンテナショップを開設しています。
地域のブランド材である「美作材」の販路開拓を旗印に、組織力の強化を図るため、津山圏域外からも参加企業を募っており、参加企業の増加が見込まれています。
能登ヒバを金沢港からベトナムへ
加賀木材(株)(石川県)
加賀木材(株)では、能登ヒバの板材をベトナムへ輸出し、現地で下駄箱を生産しています。原料の安定供給のために、地元の森林組合や製材業者とタイアップし、平成27年度は約50m3を輸出しました。
世界農業遺産の能登の里山で育った、抗菌作用のある「能登ヒバ」の効能を全面に打ち出すため、業界の展示会などに参加し、商品を周知していくこととしています。