小国町は山形県の西南端新潟県境に位置し、東西に約15km、南北に51km、山形、新潟県庁所在地からそれぞれ約80kmの地点にあります。
小国町の総面積は、73,755haで県全体の7.9%を占め、東京23区よりやや大きい広さをもち、その96.5%は林野で占められています。人口は9,374人(平成20年9月末現在)です。
地勢は、朝日連峰と飯豊連峰に抱かれた山間盆地で、流域は最上川流域とは別の荒川水系に属し、地理的にも文化的にも独立した生活圏を形成しております。
気候は、典型的な日本海型の気候で日照時間が少なく、特に冬季には全国屈指の豪雪をもたらし、最深積雪は町の中心部で2m、山間部では5mにも及ぶこともあります。
森林資源の現状は、町総面積の94%にあたる69,243haが森林であります。その内訳は国有林50,291ha(73%)、民有林18,952ha(27%)であります。
小国町森林組合は、昭和47年に町内の4組合が合併して、これまで36年間に渡り、小国町における森林・林業の組織された唯一の担い手として地域に根ざし、活力のある組合づくりと自立体制の確立をめざして、多様な事業を展開し実践して参りました。
組合事務所(木造2階建て)
所在地: | 山形県西置賜郡小国町大字小国小坂町2−57 |
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設 立: | 昭和47年6月 |
資本金: | 99,394千円(平成20年11月) |
組合員数: | 939名 |
役員数: | 16名 (代表理事組合長 1人) |
職員数: | 23名 (うち、事務職10人) |
従業員数: | 26名 |
その間、組合員並びに町行政のご理解、ご支援のもと、組合経営基盤の充実強化を図るため、4次に亘り増資を重ね、森林組合合併には加わらず、単独組合として事業を展開し、今日に至っております。
組合の事業形態は販売部門、森林整備部門、特産加工部門、購買部門、さらに平成20年度から加工部門の5本柱を軸に年間5億円の事業量確保を目標に取り組んでおります。
具体的には、販売部門の林産事業は、スギ立木、雑木林の買取を主に行っているほか、国有林の立木公売、生産請負事業に取り組んでいます。現場においては高性能機械の導入を積極的に図り、木材生産の生産性の向上、低コスト化により、木材市場への安定した木材供給をしています。また、今年度からプロセッサを導入し、直営の林産班2班体制から3班体制に増員強化するなどして、生産量の増加を見込んでおります。
加工部門では、これまでの製材品に加え、新たに町役場の豊富な森林資源を活用した木質チップボイラー導入を機に、平成20年度農山漁村活性化プロジェクト支援交付金事業により「木質チップ工場」を建設しました。間伐材、林地残材等の未利用資源をチップ化した「燃料用チップ」、広葉樹をチップ化した「製紙用チップ」の生産を11月から本格化稼動しました。木質チップ生産額として年間100,000千円を見込んでおり、そのために従来にもまして資源の確保、生産体制の整備強化を図っております。
特産加工部門は、組合で最も力を入れている事業の一つで、小国町の広大な森林資源からの山菜・きのこなどの特用林産物は、町の特産品として県内外から引き合いがあり、平成14年度新たに「森のめぐみ直売所」(木造平屋建て230u)の整備により、山菜・きのこ等の特用林産物販売体制の強化を図るなど地域の特性を活かした取組みをしております。
森林整備部門では、山形県林業公社、町有林をはじめ、一般拡大造林等昭和47年の合併以来昭和59年まで年間100ha越える新植事業をおこなっていました。その後、新植面積は極端に減少に転じ、最盛期には直営作業員50人、請負作業班6班(30名)が従事しておりましたが、事業量の減少に伴い、高齢化等とも相まって数人までの減少に至りました。
こうした中、地球温暖化防止対策面から国有林を始めとした森林整備事業及び平成19年度からは『やまがた緑環境税』導入により、小国町の長年手入れがされなく荒廃している森林の間伐を中心とした整備事業により、今後10ヵ年で400haが計画されるなど、安定的に事業が確保されてきております。
購買部門では、新植面積の減少から山行き苗木取扱量の減少に伴い、取扱、事業量とも減少する中、平成5年度から、国道113号線沿いに給油施設を借り受け、車輌及び現場消費燃料供給の利便性の向上、経費節減に努めております。また、組合員並びに役職員、従業員への安価な生活燃料を提供しております。
ハローワーク、組合広報、支援センター等を通じ、高卒及び中途採用に積極的に取り組み、平成20年度高卒1名、中途1名で2名の19歳の若者を採用することができました。21年度には、高卒1名の採用が内定しております。
また、緑の雇用担い手対策事業の実施により、研修生の技能・技術の習得のための教育が、短期間で容易にできるようになりました。
年度 | 年度内採用者数 | うち在籍者数 |
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平成17年度 | 2人 | 2人 |
平成18年度 | 4人 | 3人 |
平成19年度 | 12人 | 10人 |
平成20年度 | 7人 | 6人 |
*20年度は12月30日現在 |
就労日数 | 29日以下 | 30〜59日以下 | 60〜149日以下 | 150〜209日以下 | 210日以上 | 計 |
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29歳以下 | 1 | 1 | ||||
30〜39歳 | 3 | 3 | 3 | 9 | ||
40〜49歳 | 1 | 2 | 7 | 10 | ||
50〜59歳 | 2 | 2 | 4 | |||
60〜64歳 | 1 | 1 | ||||
65歳以上 | 4 | 2 | 6 | |||
計 | 1 | 9 | 8 | 12 | 31 |
労働災害は、平成18年度10月13日から死亡災害はもとより、休業4日以上の無災害を2年3ヶ月間続けています。さらに、下記事項の実施により日常から危険意識の高揚に努めております。
心肺蘇生法の研修会
緑の雇用研修生の安全指導
平成17年度 | 平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | |
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休業4日以上 | 2件 | 1件 | 0件 | 0件 |
死亡災害 | 0件 | 0件 | 0件 | 0件 |
*20年度は12月30日現在 |
林業がかつての輝きを取り戻す「森林・林業の再生」には、山村の活性化が不可欠でありますが、山村人口が減少し、その維持すら儘ならない現状のもとで、組合は、下記の項目を通じ、地域に貢献し森林林業の振興に寄与しております。
小国町における冬季間の林業は仕事ができる環境ではなく、冬眠状態に近いものがあり、出稼ぎで現金収入を得て、家計を支えてきた時代があります。
組合も、また、冬季間の気象条件から、「森のめぐみ直売所」の閉鎖、「森林整備事業」縮小などから、短期雇用にせざる得ない状況にあるのは、非常に経済活動面からして不本意であり、これを解消することが最大の課題であります。このよう中、「木質チップ工場」の建設により、通年で事業展開できることは、組合にとっても経営基盤の強化、安定した事業量の確保につながり、雇用の安定、労働力の確保が容易になります。また、森林環境保全、林業の再生の目標に向かって、荒廃する森林整備、森林資源循環利用促進に取り組み、組合員の林業離れを和らげ、地域林業の振興、活性化につなげることを目標に、下記の事項を積極的に推し進めます。