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「コンセプト・体制を考えよう」の項で考えた「誰に・何を伝えたいか」を基にどんなページをつくっていくかを考えていきます。しかし、これは本来、企画の段階ですること、とも言えます。特にページづくりを作成業者に任せる場合は企画段階で業者とともにページ構成・イメージについて綿密な打ち合わせをしこちらの意向を伝え、そのページ設計にした場合の見積を出し、
予算に計上しなければなりません。どちらにしても、まずは公開されているいろいろなホームページを見て参考にされることをおすすめします。 |
ページを作って行くための検討プロセス |
実際の作成作業に入るまでには、プロセスを踏んで考えておかなければならないことがまだいくつかあります。作業に入るまでは「企画」の段階だと考えます。 |
1どんな情報を入れるか いろいろある情報の取捨選択が必要です。 |
2どんなデザイン・イメージにするか 誰になにを伝えるかによって、見せたい雰囲気、基調とする色やデザインが決まります。 |
3見せ方はどうするか あなたが「また見たいホームページ」とはどんなものですか。 |
4設計図をつくる 全体像を俯瞰することができます。 |
5素材を集める 文章・写真・ロゴマーク・キャラクターなど事前に用意しておきます。 |
6作成する 内部で作成する場合、あれこれ頭をひねるところ。外部で作成する場合、業者との連絡を密に取りながらできあがりを待ちます。 |
コラム2−1・2・3 |
1 どんな情報を入れるか | ||
「丸太の森の魅力、施設の紹介は入れたい」 「どの季節にも魅力があることをアピールするには四季の自然カレンダーを入れるべき」 「パンフレットにある散策コースも紹介してみては?」 「地図と交通、入園料や休館日、問い合わせ先などの案内は絶対に必要だ」 「利用する確率が高いキャンプ・バーベキュー情報は、別枠で入れた方がいいかも」 「新着情報として季節のイベント案内を入れて、これを年4回更新していこう」 |
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やはり、施設のパンフレットが一番参考になる場合が多い | ||
森林利用総合施設として、一般的に入るであろう内容をあげておきます。 |
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●必ず入れるべきこと 住所、問い合わせ先、交通案内、休園日、利用時間、入園料 |
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●入れる場合が多いこと 施設のコンセプト(魅力)、施設案内、施設内の自然の紹介、電子メールアドレス |
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●こんなことを入れても…… イベント情報、予約システム、書き込み自由な情報掲示板。ただし、情報をあれもこれもと詰め込むのは、読み手を混乱させる場合もあり考えものです。いかに必要な情報だけに絞り込むか、これもページづくりには重要な要素なのです。 |
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2 どんなデザイン・イメージにするか | ||
「誰に・何を伝えたいか」を頭に入れて、ページの持つ雰囲気や与える印象、全体的なイメージを実際の作業に入る前にある程度決めておく必要があります。これを決めておかないと、ページによって統一感のないちぐはぐなものになってしまう可能性があります。 |
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「特定の世代だけが利用する施設ではないので、幅広く受け入れられやすいイメージがいい」「ということは、しぶすぎず、かわいすぎず……」 「第一印象は大切だ。トップページはいわば“顔”だから、丸太の森の雰囲気が伝わるものにしたい」 「花の情報はどちらかというと年配の方が利用されるから、落ち着いた感じがいいかな」 「キャンプ・バーベキュー情報は、楽しい雰囲気がいい」 「色は緑を基調にしようか」 「丸太の森の文字は特に決まったロゴはないが、全体のイメージに大きな影響がありそうだ」 |
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誰に・何を伝えたいか」が明確であれば、見せたい雰囲気、基調とする色やデザインは、自然に決まってくるでしょう。 |
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どんな文体にするか? どんな文字にするか? どんな雰囲気にするか? |
色は? 第一印象は? |
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3 見せ方はどうするか | ||
技術的なことでもあるため、外注の場合は業者に一任することになります。しかし、いろいろなホームページを見る機会が多くなるほど、「あれがしたい」「これがしたい」、見る側に立って「こんなホームページは見る気にならない」という気持ちが出てきます。業者にもそのノウハウはありますが、より明確にしておきたい要望があれば、作成作業に入る前にはっきりと伝えるべきです。 |
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丸太の森ホームページの見せ方は・・・ |
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「いつも目次表示されていると、どのページにも行きやすいし、戻りやすい」 (→フレームの使用) |
「各施設の紹介は続けて掲載するのではなく、スクロールしなくても済むように1ページずつに収めよう」 | 「トップページは、掲示板のイラストの中で数枚の写真が自動的に入れ替わっていくようにしたい」(→アニメーションGIFの使用) |
デザイン面や技術面で凝った見せ方をするホームページも多くなってきました。しかし、森林総合利用施設の場合、その目的から考えると、必ずしも必要なことではありません。また、見せるテクニックについて知識があるほど、凝った見せ方をしたいという要望は強くなるでしょう。しかし、「凝ったページ」=「また見にきてくれるページ」ではありません。読み手の気持ちを考えると、「見やすさ」を考慮することが大切です。 |
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見せ方に決まったルールはありません。可能性は無限にあります。そこで、ここでは、読み手側に立った「また見たいホームページ」について考えてみることにします。 |
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●すぐに表示されるページ 画像等のデータ量が多いため、なかなか表示されずイライラするページがあります。別に特定のソフトをダウンロード等で手に入れなければ見ることができないページもあります。個人 で受信する場合、高速なISDN回線ではなく、アナログ回線を使っている場合も多いので、できるだけ早く見られるような気配りが大切です。横にスクロールしなければページ全体を見ることができないものも苦痛です。 |
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●いつも新しい情報があるページ どのくらいのサイクルで更新していくか、ということにもよりますが、すでに終わっているイベント等の情報ばかりではなく、常にこれからの予定が入っていることが必要です。「新着情報」などのページでは特に気をつけなければなりません。インターネットは、印刷物に比べて情報の鮮度が落ちるのは早いのです。また、リンクしたページに移ってから出る「工事中」のサインは、読み手の気持ちをそぐものです。 |
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●わかりやすい表現のページ 施設を紹介するホームページに挨拶は不要です。コンセプトの紹介は必要ですが、明瞭・簡潔にしなければ読んでもらえません。だらだらと続く説明文も同様です。また、施設案内の場合、わかりやすい表現も大切です。できるだけ写真やイラスト、図式で表す工夫も大切ですし、文章なら一般的には中学生でもわかる程度。子どもの利用が中心の施設なら、小学生でも理解できるように、言葉遣いに気をつけることが重要です。また、お年寄りでも読みやすい文字の大きさや色づかいを考えましょう。専門用語を使う場合は、解説を入れるようにします。 |
文章が長くなるときは、箇条書きや図式で表してみると、わかりやすい | |
●いつもどこにいるのかわかるページ 読み進むうちに迷子になってしまうホームページがあります。常に、今どこにいるのかがわかるようなメニュー表示があれば親切です。出口がない、ということが起きないように、次にリンクして行けるページがあることは絶対に必要です。とは言ってもリンク先が多すぎるのも考えものです。情報量があまりにも多く、選択肢が複雑に絡み合うものも迷子になる原因です |
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4 設計図をつくる | ||
ここで、今までに出てきたアイデアからホームページ全体の設計図をつくってみましょう。各ページのつながりを図示し、階層構造の全体像を見ることができるようにします。 |
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丸太の森ホームページの場合 原則的に、ひとつのページに載せる情報は、スクロールしないですむ大きさにとどめることにしました。例えば、すべての施設の紹介を1ページに続けて入れると、長くなって見にくくなります。そのため、1施設につき1ページずつを充てることにしました。 |
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設計図を基に、各ページのラフデザインを紙に描いてみます。タイトルの位置や大きさ、写真のサイズ、メニューの表示位置……といった全体のレイアウト・デザインを考えていきます。紙に描くことで、よりイメージをつかみやすくなります。 | ||
丸太の森ホームページのラフデザイン | ||
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5 素材を集める | |
設計図が決定したところで、素材収集に入ります。 |
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●文章 ホームページ用に原稿を用意します。パソコンやワープロに入力し、外注の場合は、フロッピーなどで作成業者に渡す方法が一般的です。施設のパンフレットなど資料を渡して、そこから流用してもらう場合もあるでしょう。どちらも明瞭・簡潔に、が基本です。 |
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●写真 森林総合利用施設のホームページに、写真による説明は不可欠です。今まで保存しているポジフィルムやネガフィルム、プリント(紙焼き)があれば十分です。ただし、印刷物からの流用はモアレを引き起こす場合があるので、おすすめはできません。新たに撮影する場合は、デジタルカメラを利用すると、そのままパソコンに接続して画像を加工することができます。光ってしまった、暗すぎる、色がうまく出ていない写真でも、パソコンで加工する段階である程度補正することができます。また、写真を縮小して表示する場合、あまり被写体が細かいとモニターで見てもわかりにくいことがあります。モニターで映り栄えのする写真、インパクトのある写真など、ページに割り付けた状態をイメージして選び出しましょう。 |
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●ロゴマーク・キャラクター 指定のものがあれば使用しましょう。色も同様です |
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6 作成する |
いよいよ作成に入ります。 |
内部で作成する場合は、これから先は担当者の技術とセンスに頼ることになります。多様な情報や凝ったデザイン、奇抜なアイデアなどよりも、常に見る人のことを念頭に置いたページづくりを心がけましょう。はじめはシンプルな最小限の情報を収めたページでも十分です。なお、ページ作成の技術的な解説は、本書ではとりあげず、市販の専門書に譲ることにします。 |
外注の場合は、ここでいったん、こちらの手から離れます。途中のチェックを含め、公開までの期間は1ヵ月くらいと考えます。業者との連絡は密に取り合い、納得のいくものをつくっていきましょう。 |
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丸太の森ホームページができあがりました。ここでは、そのうちの代表的なページを「見せ方」とともにご紹介します。 | ||
●トップページ すべてのページをフレームで仕切り、どこからでもメニューが選べるよう、常に表示しています。 丸太をイメージする掲示板の中は、アニメーションGIFの手法で、5枚の写真を3秒ごとに自動的 に表示して、読み手を引きつけています。 「丸太の森」の文字は、実際の看板の写真から文字だけ取り出して使いました。 |
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●「施設マップ」のページ 「クリッカブル・マップ」という手法で、地図上の施設をマウスでクリックすると、その施設の紹介をするページに移ります。 |
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●「四季のカレンダー」のページ 1〜12月の月ごとに園内の見所を紹介しています。 1〜12まで並んだ数字からは、各月のページに移れるようにリンクしてあります。 落ち着いた感じに仕上げました。 |
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